レトロ「調」内装ではないお店

とある街のやや古めの商業施設内に、最近あまり見かけないタイプの食堂をみつけました。
ナポリタン、ハヤシライス、クリームコロッケ。ウィンドウに並ぶメニューは洋食屋さんかと思いきや、やきそば、生姜焼き、チャーハンとなんでもありしかも安い。
吸い寄せられて店内に入ると、そこはレトロというにはまだ早い、でもあきらかに平成ではない何ともいえない世界。今時のレトロモダンを狙った内装では無くて、リアルなレトロ途中といったらいいでしょうか。おそらく施設開業当時からのお店なのでしょう。内装にはこれといった特色はありません。
半ハヤシと半ナポリタンのセットを食べながら、一体何が懐かしさを出しているのかと考えてみると、どうも内装そのものよりもにおいだったようです。
換気状態はあまり良くなく、炒め玉ねぎやコーヒーのにおいが混ざり合い、そこへ昼休みのサラリーマンが吸うたばこのにおいも追加。そう、今時ランチ時に禁煙ではなかったのです。
飲食店の禁煙分煙が定着し、きれいな空気の中での食事に慣れていたので決して快適ではない。でも昔はデパートの大食堂も喫茶店も学食もこんなにおいがしてたなあと懐かしく、淀んだ空気のなかで甘いハヤシライスとナポリタンをたいらげました。そしてなぜだか満ち足りた気持ちになりました。不思議体験でした。
おしゃれできれいなカフェもいいけれど、たまに妙に心ひっかかるお店に出会えると嬉しくなります。
t.s

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