シンプルな店舗設計が落ち着く。高齢夫婦が営むいきつけのバー

以前勤めていた職場に職員常連のいきつけのバーがありました。

お店の見た目はとてもきれいとは言えず、どちらかというと扉も古く壁もくすんでいて、職場の先輩に連れられて行かなかったら入ることができなかった雰囲気で、お店の中も薄暗く店舗内装も地味でデザイン的にもおせじにもきれいとはいえないお店でした。ただ店舗設計はシンプルで落ち着く空間を作っていました。細長い部屋にエル字型のカウンターで、その後ろの奥に4~6人が座れるデスクがありました。広い空間ではなかったのですが、それがかえって注文を頼み時に小さな声でも伝わりやすく、安心感がありました。椅子はやや高く、座ると足を置く場所がありじっと座っていても疲れにくく、一人で来るお客はカウンターの隅が人に往来がなく落ち着いて本などを読んでお酒を飲むこともできます。事実私が通っていた時も、いつもマンガ本をいっぱい持ってひとりで読んでいるお客さんがいて、ゆっくりくつろげるからだと感じました。

お店をやっているのは高齢の夫婦できさくで気をつかうもともなく、毎日のように仕事の帰りによって、職場の話で盛り上がりました。今もあるのかは不明ですが、また機会があればあのお店に行きたいと感じる思い出の場所です。