お気に入りのレストランは、木材が中心の温かみのある店舗内装が魅力で、どこかデザインに懐かしさや安心感を覚えます。色使いも落ち着いていて、お店を訪れる度に実家に帰ったかのような錯覚を覚えます。正確にいえば祖父母の家に足を運んだ時の感覚に近く、優しく迎え入れてくれる感じがします。
レストランなので、店舗内装は当然ながら飲食店のデザインですが、それなのに個人宅のような印象を受けるのが不思議です。お店の入り口も外観も確かにレストランですが、一歩店内に足を踏み入れると雰囲気や印象が変わります。これは恐らく、オーナーが意識的に家のような店舗内装にこだわり、デザインを行ったのだと思われます。何より凄いのは、誰にとっても実家や祖父母といった身近な人の家を思わせる感覚が得られることでしょう。勿論、訪れる一番の目的は食事にありますが、しかしこの感覚を味わいたくないかといえば嘘になります。
お気に入りのレストランは、雰囲気や感覚を含めてのお気に入りで、料理の味に満足しているのは当然ですがこういう付加価値も評価しているわけです。店舗内装は至って王道といった感じですが、奇抜でないのに個性を感じさせるデザインです。そして過度に高級感を演出しているわけでもなく、押し付けがましさがないのも好ましいところです。とはいえ、ちょっと良いレストランで食事をする満足感や、実際の価格よりも高級な食材をいただいている感じがするのは確かです。そういう部分に演出がないとはいえませんが、くどさやわざとらしさは一切ないので、それが何度も足を運びたくなる理由になっています。
店舗内装は、1つでも気になる部分があるとそこが頭の片隅に居座ってしまいますが、自分がお気に入りのレストランにはそれがないです。つまり調和が取れていてデザインの質が高く、店舗内装の状態を維持する手間暇も掛けられていることが分かります。このようなレストランには中々出合えないので、気がつけばまたお気に入りのレストランに足を向けていることが多いです。