私が今まで通った美容院の中で、店舗内装のデザインが素敵だなと印象に残っているお店は、二店舗あります。
地方都市で暮らしていた時期に、まだ決まった美容院がない状態で、道でクーポンをもらったお店にそのまま行くような感じでした。そういうお店は雑居ビルにある安いお店で、狭いし古いし店舗内装もありきたりです。しかし、ある日アーケード街を歩いていたら素敵なお店だなと感じたのが路面店で「サロン」という文字が目に留まりました。お店の前には、メニュー表と予約クーポンが置いてあるだけです。ガラス張りなのに、お店のロゴのデザインだけで中は見えない造りです。予約客のみという条件だったので、後日電話で予約をしていざ入店すると広々としたフロアで、とても静かで上品なお店で若干緊張してしまったけれどカウンターで接客してくれた美容師さんがとても素敵な女性で「全てこの人に任せよう」と決めました。
店舗内装のコンセプトは分からないですがシンデレラ城を思わせるようなデザインで、美容師さんも腕が良く素敵なショートカットに仕上がって満足して帰ろうとすると、入口とは別のガラス扉に案内されたんです。全面がガラスと鏡で、まさにシンデレラ城の階段のようなものを上がって帰るというお姫様気分を味わえることもあって、引っ越した後でも担当の美容師さんが辞めるまで通っていました。
もう一つの美容院は、地元にあった小さなアパレルショップを改装した美容院です。メゾネットタイプの店舗内装はそのままで、木目調の床と白い壁が特別の場所感があって素敵なデザインだったんです。一階はカットのお客さん、半地下はパーマ。二階部分はシャンプーと事務所がある隠れ家的な美容院です。歩くたびにギシギシと軋む床も、シンプルなのにカラフルな色遣いの椅子。カッコいい美容師さん揃いで、女性客には人気だったのですが老朽化に伴ってお引越し。現在は、ハイセンスなデザインでお店を継続しています。